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広島地方裁判所竹原支部 事件番号不詳 判決

主文

被告人を懲役二年に処する。

訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

一、犯罪事実

被告人は池田健一郎と共謀の上、尾道市吉和町鋳造業片山信太郎に註文して総体の約七割を占める内部を鉄で作り約三割を占める外部を砲金で包装した長さ約一尺五寸経約五吋の重量十数貫の一見してその全部が純砲金棒と見える金属棒を製造させ、之を他人にその全部が純正な砲金棒であるように見せかけ高価な砲金の価格で売りつけその代金名下に金員を騙取することを企てた上、第一、昭和二十七年十月中旬頃右池田と共に香川県仲多度郡多度津町大字多度津乙六七一古鉄商鈴木栄子方に於いて、同人に前記偽造の砲金棒十二本を示して之が全部純正な砲金棒であるように装うて同人をその通り誤信させて、同人に右偽造の砲金棒十二本総重量約百五十一貫二百匁を一貫当り八百五十円の砲金の価格で買受けることを承諾させ、即時同所で同人からその代金名下に現金十二万八千五百円を右池田に交付させて之を騙取し

第二、その翌日頃右鈴木方において、前記第一の売買の仲介人岡田某が情を知らないのを利用して同人を介して右鈴木に対して前同様の方法で同人を前同様誤信させて当時岡田をして右鈴木方に持参させた前同様の偽造の砲金棒十五本総重量約百七十一貫を右鈴木に買受方を承諾させて、即時同所で同人からその代金名下に現金十四万五千円を右岡田を介して被告人並に池田に交付させて之を騙取し

第三、同年十月下旬頃玉野市日比四軒屋九二六養豚業厳奇変方に於いて同人に対して当時同所に持参した前同様偽造の砲金棒二十四本総重量約三百貫を右池田から示して前同様厳奇変を欺いて全部が純正な砲金棒であるものと誤信させて一貫当り八百円の砲金の価格で買受けることを承諾させ即時同所で同人よりその代金名下に現金二十四万円を被告人並に池田に交付させて之を騙取し

第四、同年十一月初旬頃右池田において同人の知人である安芸郡音戸町古物商西本寛一方に至り砲金が多量にあるから買えと勧誘した上同月中旬頃池田と打合せをしていた被告人が御調郡重井村に運搬していた右偽造の砲金棒三十五本総重量約五百七十五貫を同所において西本に見せて前同様西本をしてその金属棒全部が純正な砲金棒であるように誤信させて之を買受けることを承諾させた右現物を同所において池田より西本に引渡した上その頃同人方において右売買代金の一部として同人より現金二十五万円を池田に交付させ更に数日後右西本方において残代金十六万四千円を池田に交付させて之を騙取し

たものである。

二、証拠の標目(省略)

三、法令の適用

刑法第二百四十六条第一項第四十五条前段第四十七条本文第十条(最も重い判示第一の罪の刑に併合罪の加重)刑事訴訟法第百八十一条第一項

(昭和二八年五月二〇日広島地方裁判所竹原支部)

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